(毎日テレビ 日曜日 1:40〜2:10)
「おっ、これはなかなかオレ好み!」
オープニングの時点ですでに気に入ってしまった。
そして実際に見終わった後も、この感想は変わらなかった。
主人公不動ジュンは、無理にでも自分を自分として保とうとしているように思える。
後ろに気配を感じても、気のせいだと思いこもうとしているようだ。
しかし「気のせい」では納得できなくなった時、日常とは違う世界が始まる。
それでも最初は、初めて会う不思議な人間に対しても「仕事なら事務所を通して」とか、
わけのわからない所に連れていかれても、「勝手に撮らないで!」といったセリフで、
それまでの日常にすがっているようだ。
しかしそれでも限界を越えたとき、本当の自分を見つけている。
このアニメを気に入った理由の一つとして、「限界点の深さ」がある。
多くのアニメでは、精神的に限界点を迎えたとき、それまでとは違った力を発揮する。
しかしこのアニメでは、精神的だけでなく肉体的にも限界を迎えている。
背後から獣人の爪をくらい、腹を裂かれてようやく限界点に来ている。
テレビアニメでここまで描かれるのは、なかなか珍しい。
一度人間の状態に戻った後も、巨大化した獣人に押しつぶされてようやく、さらに覚醒している。
この、「本当の限界」というのが非常に好ましい。
最後にジュンは巨大化しているが、この姿を見ると「ああ、やっぱりデビルマンなんだなぁ」と思う。
この前に、巨大化した獣人が「お前は、進化した仲間を裏切った」と言っているが、
ここはデビルマンとは違う。
なぜなら、ジュンは何もわからないまま”裏切り者”にされているからである。
自覚しているのとしていないのとでは、ジュンにとっては全然違う。
自分が何なのかもわからずに、戦い続けなければならないからである。
これが、気に入った理由の二つ目。
1話だけでは何とも言えないが、1話だけで気に入ったアニメは珍しい。
これからに期待大。