「大陸の花嫁」―まえがきー
 
 私は自分の父を知らない。母は不倫をしたのか、強姦されたのか私を産んだ。
 今の世であったなら、胎児のうちにつみとられたであろう私の命。母はその私を
 連れ子として貧しい家に嫁いだ。私はその家で母からにまで虐待を受けた。

 

 私は人の愛を求め、人を恋した。それも許されはしなかった。
 
 私は大陸の花嫁になることを決意。戦時中の国策に従い、満州開拓の一人に
 なったのである。当時、大陸の花嫁になった私の目から見たものは、日本人の
 横暴さと、「メィファズ(しかたがない)」と諦める中国人のおおらかさであった。

 それは日本国敗戦で逆転した。
 
 阿鼻叫喚の満州から生きて帰ってきた私は、八十歳の今、まだ生かされてい
 る。 命のある間に自分の戦争体験と、満州に取り残された中国残留日本人孤
 児と残留婦人のことなど、後世に伝えておくことが私の使命のように思われて

 きた。
 
 娘の協力と周囲の人の励ましを受けて八十の手習い、昔の記憶を辿りながら
 ワープロに向かった。自分史とも言える私個人の戦争体験である。
 
 幼稚な文章だが是非読んでもらいたい。



                                                      
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